これは、M&Aで売却を考えている社長の最も関心のあるテーマだと思います。
多くの社長が、自社の価値に関心を持っていると思いますが、業績の良い会社の社長ほど、その傾向は強くなります。逆に業績の悪い会社の社長は自社の価値をあまり気にしていない(または気にする必要がない)ように思います。
自社の価値、つまり企業評価額を算出するためには、きちんと企業評価を行う必要があります。
たまに簡単な数字の入力で大雑把な企業評価額を算出する会社を見かけますが、こういう手抜きの企業評価はあまり参考になりません。
逆に依頼者に都合の良い高い企業評価額が出た場合は、それを鵜呑みにし、高い売却希望金額を設定してしまう結果、M&Aが成約しなくなる可能性があります。
また、手抜きの企業評価で低い企業評価額が算出されたとしても、落胆する必要はないかもしれません。
手抜きの企業評価で一喜一憂すべきではありません。
例えば、自動車を作る場合、多くの人が関わり、莫大な投資が行われますが、折角良い自動車を作っても最後に行う最も重要な作業である販売価格の設定を間違えてしまえば、その自動車はあまり売れなくなるかもしれません。
企業評価もこれに近い面があります。いくら会社の業績が良くても売却希望金額の設定が間違えば、M&A成約にとって大きな支障となります。
M&A成約にとって最も大事なことは売却希望金額の設定です。
これを間違えれば売れるものも売れないということになりかねません。
企業評価は単純な計算では決してできるものではありません。
人間ドックに行って色々検査をして始めて健康状態が分かるのと同じように時間と手間を掛けてプロがきっちり調べなければ、売却希望金額の根拠として使えるような企業評価額は算出できないのです。
M&Aで最も重要な作業である売却希望金額の設定を安易に考えず、多少の費用は発生しますが、M&Aのプロに企業評価を依頼することは、きっと満足のいくM&Aにつながると思います。
弊社が主に使う企業評価方法は、「時価純資産価額+営業権」です。経験上、この方法がM&Aの当事者にとって、最も分かりやすく、納得しやすいといえます。営業権については、経常利益をあるべき経常利益に修正して、その修正後経常利益の2~3年分として算出しています。この年数については、人気業種か否か?やM&Aしやすい状態かどうか等で判断しております。
上記の説明は、M&Aで第三者へ株式を100%売却する場合のことを書いていますが、もし株式売買を次のような方と行う場合は、譲渡する株式の割合や力関係が異なるので、すべて違う企業評価額になると思われます。
- ①子供
- ②仲の良い親族
- ③相続等で揉めている親族
- ④社内の番頭さん
- ⑤取引先